無痛分娩
当院は麻酔科医師による無痛分娩を365日24時間提供しております。
2025年3月29日更新
当院の無痛分娩
無痛分娩は麻酔により分娩時の痛みを和らげる出産方法です。当院では硬膜外麻酔法という下半身だけに麻酔を行う方法を用います。
分娩中の痛みが少ないため、リラックスできる、血圧の変動が少ない、出産後の回復が早いなどのメリットがあります。
下半身だけの麻酔なので、分娩中も赤ちゃんとの初対面の時も目はさめていますのでご安心ください。

当院の無痛分娩の特徴
- 24時間365日麻酔科医師による対応
- 麻酔開始のタイミングが選択できます(オンデマンド、計画、お守り無痛分娩)
- 経験豊富なスタッフ(年間500件以上の無痛分娩)
- 麻酔科医と助産師によるオンライン無痛分娩クラスを開催
無痛分娩のタイミング
当院では、無痛分娩を始めるタイミングをオンデマンド無痛分娩、計画無痛分娩、お守り無痛分娩から選べます。
オンデマンド無痛分娩
自然陣痛が始まり、来院いただいてから、無痛分娩を始める方法です。自然陣痛はいつ始まるかわかりませんので、24時間いつでも無痛分娩が始められます。
計画無痛分娩
出産日を事前に決め、出産日に陣痛促進剤で計画的に分娩と麻酔を始める方法です。入院には出産日の前日午後もしくは当日朝になります。
お守り無痛分娩
自然分娩か無痛分娩か迷われている方向けです。分娩経過中に、痛みに耐えられない場合に無痛分娩に切り替える方法です。「お守り」として無痛分娩という選択肢を持っているという意味で、当院ではお守り無痛分娩と呼んでおります。
当院での出産方法
当院では自然分娩の途中から無痛分娩に切り替えることができます。また、初産・経産共に計画分娩をお選びいただけます。

申込み方法
無痛分娩をご検討いただいている方は必ず「無痛分娩オンラインクラス」を受講ください。
オンラインクラス受講後に同意書を外来でお渡ししています。妊娠36週6日までに同意書を外来で提出し、予約金50,000円をお納めください。
無痛分娩オンラインクラス
参加対象(①~④を満たしていること)
① 当院で出産予定の方
② 母子健康手帳を受け取っている方
③ 妊娠31週未満の方
④ 無痛分娩希望の方・検討されている方
予約方法
当院予約システムより申込みください。
無痛分娩料金
硬膜外カテーテル挿入時間 | 価格(非課税) |
診療時間内 | 80,000円 |
診療時間外 | 90,000円 |
休日深夜 | 100,000円 |
診療時間外:平日6:00〜8:30 / 17:00〜22:00
休日:祝祭日、年末年始休診日、日曜日6:00〜8:30 / 15:00〜22:00
深夜:22:00〜6:00
※都の無痛分娩助成事業が開始になった場合、上記の金額内でお支払い頂いた8万~10万円が都の助成対象となります。
よくある質問
背中(ウエストのライン上)の皮膚を局所麻酔薬で十分に麻酔をした後に、脊髄神経のそばに細いチューブ(カテーテル)を挿入します。分娩中にカテーテルを通じて麻酔薬を投与します。カテーテル挿入に10分程度、麻酔薬投与後10分程度で鎮痛効果が現れます。分娩中は持続的に麻酔薬を投与します。
硬膜外麻酔法は痛みを伝える神経だけではなく、筋肉を動かすための神経にも麻酔効果があるため、いきみにくくなります。そのため、吸引分娩や鉗子分娩の確率が上がります(自然分娩:9%、無痛分娩27%)。また、陣痛が弱くなる(微弱神通)ため、分娩時間が長くなります。
初産婦さん、経産婦さんともに計画無痛分娩をお引き受けしております。初産婦さんは経産婦さんより計画日に生まれない確率が高いため、少しでも生まれやすいように妊娠週数が遅い時期に計画日を組むようにしています。
局所麻酔薬(リドカイン、ロピバカイン)とオピオイド鎮痛薬(フェンタニル)を用います。赤ちゃんには影響がない量ですのでご安心ください。
和痛分娩とは、分娩中に鎮痛薬と鎮静薬を筋肉注射する方法です。無痛分娩をされていない場合に、分娩中の痛みが強い場合に医師・助産師よりお勧めすることがございます。予約、手続きは必要ございません。
無痛分娩に関する当院の詳細情報
当院は、無痛分娩関連学会団体協議連絡会(通称: JALA(https://www.jalasite.org/doc/)) に施設登録し、厚生労働省より発表されている「無痛分娩取扱施設のための『無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言』に基づく自主点検表」の内容に沿って診療体制を整えております。
自主点検表の内、猶予項目以外すべてを満たしております。(猶予項目に該当する救急蘇生コースの受講は今後予定しております)
また、日本産婦人科医会偶発事例報告・妊産婦死亡報告事業へ参画しております。
「無痛分娩施設情報一覧」
分娩実績(2024年12月31日時点)
年 | 全分娩件数 | 経膣分娩件数 | 帝王切開手術 | |
無痛分娩あり | 無痛分娩なし | |||
2022年 | 1125 | 398 | 531 | 196 |
2023年 | 1432 | 542 | 613 | 277 |
2024年 | 1204 | 437 | 454 | 313 |
当院の無痛分娩に関する説明
無痛分娩ご検討の方へオンラインクラスにて無痛分娩の詳細のご説明を行っております。
受講後、無痛分娩をご希望される方へ、妊娠35週前後の妊婦健診時に書類をお渡ししてご説明し同意書の提出をお願いしております。
無痛分娩麻酔管者
麻酔科医師 櫻庭 茂樹(常勤)/麻酔科標榜医
(JALAカテゴリーA:2025年3月26日受講・カテゴリーB:2025年3月11日受講/J-MELSベーシックコース2025年受講予定)
麻酔担当医
麻酔科医師 櫻庭 茂樹(常勤)/麻酔科標榜医
(JALAカテゴリーA:2025年3月26日受講・カテゴリーB:2025年3月11日受講/J-MELSベーシックコース2025年受講予定)
勤務医師数(2025年3月1日現在)
産婦人科医師:常勤(3名)/非常勤(23名)
麻酔科医師:常勤(1名)/非常勤(4名)
無痛分娩に関わる看護師・助産師
助産師:12名/看護師:14名
- 日本助産評価機構 助産実践能力習熟段階レベルIII認証(助産師):3名
- J-MELSベーシックコース受講(看護師・助産師):6名
- 新生児蘇生法「専門コース」インストラクター(助産師):2名
- 新生児蘇生法「専門コース」受講(看護師・助産師):14名
- 新生児蘇生法「一次コース」受講(看護師・助産師):3名
- JALAカテゴリーD受講:6名
安全管理対策
無痛分娩を安全に行うために、下記の対応をしております。
《無痛分娩に関する対応方針とマニュアル等の整備状況》
無痛分娩管理マニュアル・無痛分娩看護マニュアルを作成し、マニュアルに沿って対応しております。
マニュアルは、定期的に見直しをしております。
《急変時の体制》
- 急変時は、当院で一次対応後に他施設と連携をしております。
- 必要時は、東京都周産期搬送システムのルールに則って、遅滞なく高次医療機関への母体搬送および新生児救急搬送の対応をいたします。
- 搬送時は、医師または助産師、看護師が同乗し救急車で搬送いたします。
《医療機器配備状況》
- 無痛分娩中は分娩監視装置(自動血圧計・血中酸素飽和度計付き)を必ず装着し、胎児心拍数陣痛図を、院長室・医局・医師当直室・外来診察室・ナースステーションで監視しております。
- 急変時に対応する設備を整えてすぐ使用できる状態で管理しております。
生体監視モニター、麻酔器、AED(自動体外式除細動器)、救急カート、酸素共有設備、口腔内吸引装置、人工呼吸装置
《救急医薬品配備状況》
- 以下の救急用医薬品を配備し緊急時にはすぐ使用できる状態で管理しております。
ボスミン注、アトロピン硫酸塩注、エフェドリン注射液、ネオシネジンコーワ注、リドカイン静注用2%シリンジ、ジアゼパム注射液、プロポフォール静注、エスラックス静注、スガマデクス静注用、硫酸Mg補正液、イントラリポス輸液、ハルトマン液、生理食塩液
《危機対応シュミュレーションの実施状況》
全職員対象の危機対応シュミュレーションを年数回実施しております。
- 超緊急帝王切開のシミュレーション(最終実施:2025年1月20日)
- 母体急変時対応シュミュレーション(最終実施:2024年11月18日)
- 新生児蘇生シュミュレーション(最終実施:2025年1月16日)
《無痛分娩・緊急対応に関連した研修開催実績》
- 2024.07.25 救急カート医薬品を知ろう!
- 2024.11.18 無痛分娩管理の基本
- 2024.12.16 大量出血の対応① :分娩時大出血
- 2025.01.16 新生児蘇生①
- 2025.01.20 大量出血の対応② :胎盤早期剥離
- 2025.03.25 胎児心拍数陣痛図
- 2025.03.26 新生児蘇生②③
都の助成対象となる無痛分娩費用(都の助成事業開始後)
- 当院の無痛分娩費用は、時間内:8万円、時間外:9万円、休日深夜:10万円となっております。(診療時間外:平日6:00〜8:30 / 17:00〜22:00、休日:祝祭日、年末年始休診日、日曜日6:00〜8:30 / 15:00〜22:00、深夜:22:00〜6:00)
- 都の無痛分娩助成事業が開始になった場合、上記の金額内でお支払い頂いた8万~10万円が都の助成対象となります。